【プラスチック試作】成功を導くポイントとはじめての試作依頼のポイント

当社は、1984年の創立以来、多種多様なプラスチック製品の試作開発をしている試作メーカーです。

当社の試作は、企業の開発部門様からの依頼が主になりますが、近年では、スタートアップや個人事業主様からの試作依頼も増えてきています。

試作は、新しい製品やアイデアを具体化し、その機能性やデザインの検証を行うための重要なステップです。成功するためには、慎重な計画と綿密な注意が必要です。

特に初めての試作の場合には、メーカーへの依頼をどのようにしていいか迷われる方も多いかと思われます。

試作メーカーへの依頼は、明確な目的と要望を定め、正確に試作依頼を行うことが重要です。これによって、後々に起こり得るトラブルを事前に予防することができます。

本記事では、プラスチック試作を行う際に押さえておきたい重要なポイントと、試作を依頼する際に留意すべきポイントについて紹介します。

プラスチック試作を行う際のポイント6つ

1)材料選び

プラスチック試作の成功の鍵は、適切な材料の選定にかかっています。試作品の使用環境や要件に合わせて、機械的特性、耐熱性、耐薬品性などの要件を考慮する必要があります。

選んだ材料が試作品の性能や耐久性に影響を与えるため、材料選定には十分な検討が必要です。

2)設計の最適化

試作品の設計は、選んだ材料や製造工法に合わせて最適化する必要があります。特に複雑な形状や高性能プラスチックを使用する場合は、製造の難易度やコストを考慮して設計を行うことが重要です。製造段階でのトラブルを最小限に抑えるために、設計段階で工法や材料特性を考慮しましょう。

3)工法の選定

プラスチック試作にはさまざまな工法が存在します。注型、3Dプリンティング、切削加工、射出成形など、工法ごとに特性や制約が異なります。試作品の要件に最適な製造プロセスを選択しましょう。これによって効率的な試作が可能となります。

4)寸法精度と許容差の設定 

試作品の寸法精度と許容差は、最終製品の正確な再現性や機能性に大きな影響を及ぼします。使用目的や工法に基づいて適切な寸法精度を設定し、製品の品質を確保しましょう。

5)試作テストの重要性

試作品を実際にテストして、設計や材料の問題を特定することは不可欠です。機能性、耐久性、安全性などの側面をテストし、改善の余地があるかどうかを確認します。必要に応じて設計を修正します。

6)コストと時間の管理

プラスチック試作はコストと時間を要するプロセスです。試作のための予算とスケジュールを適切に計画し、プロジェクトが順調に進行するように心掛けましょう。

はじめて試作を依頼する際のポイント4つ

詳細が決まってない段階で、概算や製造の可否のお問い合わせをいただくことがあります。

具体的な製品に関する情報がなく、漠然としたイメージしかない場合、概算や製作の可否を正確に伝えることは難しく、回答の精度が低くなる可能性があります。

見積もりや製作依頼を行う際には、以下のポイントを押さえておくことが重要です。

1)目的と要望の明確化

試作には目的によって種類が異なります。

  • 機能試作(製品が正しく機能するかの確認のための試作)
  • デザイン試作(デザイン形状などの外観確認のための試作)
  • 量産試作(量産しても問題ないかを確認するための試作)

製作目的が評価用なのか?量産化するのか?どの段階の試作なのか?など、試作の目的や要望を具体的に伝えることが重要です。製品の用途や性能、デザインの希望などを明確に説明しましょう。

目的や要望が曖昧になると見積も曖昧となってしまい、実現性が低いと捉えられてしまいます。明確化することによってコミュニケーション不全や誤解を避けることができます。

2)提供情報の充実 

試作メーカーには、製品に関する詳細な情報を提供しましょう。

  • 設計図面
  • 仕様書
  • 必要な機能や要件
  • 生産数など

これらを共有することで、試作メーカーが適切な提案を行えるようになります。

3)コミュニケーションの活性化 

試作プロジェクトの進捗や課題について、定期的なコミュニケーションを行うことが大切です。状況の共有や意見交換を通じて、試作品の品質向上やスケジュール管理を行います。

4)専門知識の活用 

試作をする際は、試作メーカーの専門知識を積極的に利用するといいでしょう。材料選定や設計の最適化、工法の選定などに関するアドバイスを受けることで、試作品の品質と効率を向上させることができます。

ただし、抽象的な相談内容や試作に関する専門知識が不足しているために時間だけがかかり、実現が難しい場合など、試作メーカーが対応を嫌がる場合もあります。

そのため、相談内容を具体的にし、試作に関する知識を事前に整理した上でお問い合わせするように注意が必要です。

まとめ

プラスチック試作の成功には、これらのポイントを遵守することが不可欠です。注意深い計画と適切な実行によって、優れた試作品を生み出すことができるでしょう。