治具で試作効率化。QCDを向上させ、コストを抑えて製作するには?
小ロット製品・量産品にかかわらず、
製品は、加工・組立・検査 等、さまざまな製造工程を経て仕上がります。
製造をする上で、必要となる根本的な要素は ”QCD” です。
- Quality (品質)
- Cost (コスト)
- Delivery(納期)
「品質を安定させ、コストを最適化し、作業効率を上げる」
と作業現場の改善をするために努力をされている方も多いかと思います。
各作業を簡易化し、人的ミスや不良の発生を軽減させ、生産効率を上げるサポートをしてくれるのが治具。
治具を上手に利用することで、
- 作業の簡易化
- 製造の効率化
- 製品の品質安定
が図れ、製造プロセスが改善されることでQCD向上にもつながります。
しかし、試作品や小ロット品場合、
治具が高額になってしまうと、生産数に対し治具の費用対効果が低くなり、治具製作に踏み切ることが難しくなることもあります。
プラスチック製品製造35年以上の実績のある弊社では、
- 作業の効率化を図りたい
- 治具を作りたいがコストを抑えたい
- 治具製作数が多く、コスト面で負担
とお悩みをお抱えのお客様に、価格を抑えた簡易治具のご提案もさせて頂いております。
本記事では、試作品や小ロット品生産をお考えの方に治具設計・製作時のポイントを解説しております。参考になれば幸いです。
- 治具の役割
- 治具の求められる機能
- コストを抑えるポイント
治具(じぐ)とは、作業を補助する道具
治具は、製品や部品の製造プロセスにおいて、ワークを固定したり、位置決めしたり
作業や加工の補助をするために用いられる道具(器具)のこと。
ものづくりは工程上、加工ごと、製品ごとにさまざまな作業が発生します。
その作業に対し、適切な治具を使用することにより、作業を効率よく、品質を安定させて生産することができます。
”汎用治具”と”製作治具”の2種類がある
治具の用途はおおまかに3つ
治具はあらゆる場面で、さまざまな用途で使われていますが、
大まかには、3つに分類できます。
1. 加工用途
ワークを定められた箇所や工作機械に固定し、穴あけ・切断・切削などの加工をしやすくする。また製品の組み立てをスムーズにするためなど補助的役割として使われます。
2. 調整用途
部品同士を接着させたり、アニール処理で矯正するなど、対象物を調整するための用途。使用することで作業が容易になります。
3. 検証用途
製品の寸法・形状・角度を測定・検査するために用いる。精度のばらつきの解消につながり、品質安定性を向上させます。
治具の種類
- 固定治具…ワークを固定して加工しやすくする目的の治具
- 矯正治具…製品の変形をおさえ、矯正するための治具
- 切断治具…決まった位置を正確に切断するための治具
- 塗装治具…塗装部分以外をカバーする治具
- 検査治具…寸法・角度・形状など精度や不良箇所がないか検査する治具
- 測定治具…寸法公差・幾何公差など測定用治具
- 組付治具…パーツ同士の溶着や部品の取り付け用の治具
など多数あります。
適切な治具とは
治具製作をする際は、
いかに要求に対し、適切な治具をつくるのかが治具設計・製作のカギとなります。
適切な治具とは、基本となる治具の役割と機能を満たした上で
重要なポイントを見極め、課題に対し適切に解決している治具のことです。
重要なポイントを見極め、どんな材料で、どのような方法でつくるかを熟考し、
いかに要求に対し、適切に対応した治具をつくるのかが治具設計・製作のカギです。
治具の役割・機能
治具にはさまざまな形状・素材・種類・用途がありますが、どんな治具であろうが基本的な役割や機能は同じです。
■治具の役割
治具の4つの役割
- 作業の簡易化
- 作業の迅速化
- 作業の正確性向上
- 製品の精度向上(安定)
■治具に求められる機能
求められる3つの機能
- 位置決め
製造工程において、常に対象物を正しい位置に設置しなければ正確な加工はできません。 - 固定
加工を施すにあたって、対象物をきちんと決まった位置にしっかり固定し、ズレのないように加工しなければいけません。 - 操作性
作業員のスキルによって、仕上がりにばらつきがあってはなりません。誰が作業しても正確な操作が出来なければいけません。
この4つの役割と3つの機能が基本になります。
治具設計するにあたり、これらの役割と機能がきちんと備わっていることが必須になります。
コストを抑えた治具製作
治具を使うことで作業の効率化は図れますが、製品の形状や作業内容に合わせて製作する必要があり、それなりの費用も生じてしまいます。
弊社では、コストにも配慮しそれぞれお客様のニーズに合わせた治具設計・製作をしております。
コスト抑えるポイント
■簡易化する
使いやすい治具のポイントは、できるだけシンプルであること。余計なものをできるだけ省き、重要なポイントはしっかり抑える。このようにできるだけシンプルに簡易化してコストダウンを図ります。
■併用を考慮
1つの製品でも製造工程上、複数の加工が必要になります。その加工ごとに治具を作るのではなく、併用して使えないかを考えて設計します。
■既存の改良で対応可能か
製品によっては、マイナーチェンジが多いものがあります。その場合、既存のものを改良して対応できるかを確認します。改良した方が安く仕上がるのか?作り直した方がいいのか?などご提案させていただいております。
■材料を工夫する
治具に使用する材料は、さまざま。1つの治具に複数の材料を使用することもあります。使用する材料の特性を活かし、コスト面も配慮して製作しております。
二幸技研は長年プラスチック試作品に携わっている経験から、
製品の特性や形状・素材からどのような治具が適切かを設計段階から予測し、
使いやすい治具を製作しております。
さいごに
治具は、製造プロセスにおいて適切な治具を使用しなければメリットは得られませんが、適切な治具を使用することによりQCD改善されるだけではなく、作業員の負担を軽減し、作業環境の改善にもつながるなどメリットはたくさんあります。
ただし、条件によっては費用と利益バランスが取れず、治具製作を見送った方がいい場合もあります。
二幸技研では、40年の歴史をもつ経験と実績で培ったノウハウで、それぞれお客様のご要望や条件にあわせた治具のご提案をしております。
治具設計・製作に関するご質問・お見積りなどお気軽にお問い合わせください。