【機械加工】切削加工を基礎から学ぶ!工作機械の種類と加工方法

切削加工の基礎(工作機械の種類と加工方法)

当社は、プラスチック加工をして多種多様な研究開発試作品を製造する会社です。

プラスチック加工って、どんなものがあるの?」

プラスチックの加工には様々な工法が存在します。
用途や目的、材料、形状にあった最適な工法を選定していく必要があります。

しかし、加工内容など知識がなくては選定することはできません。

初心者の方は、プラスチック製品製作をスムーズに進められように少しずつ加工方法の知識を増やしていけるといいでしょう。

プラスチック加工では、製品を高精度で加工するためにさまざまな工作機械が使われております。

今回は、日本の製造業を支える重要な技術「機械加工」の一つ「切削加工」にスポットを当てて、

  • 加工方法
  • 工作機械の種類
  • 加工するための工具の種類

など、切削加工の基礎をご紹介させていただきます。

(より分かりやすくするため関連する画像や動画も載せておきますので、よろしかったら参考にしてみてください)

  • 機械加工の基礎を知りたい方
  • 切削加工の基本を知りたい方
  • 工作機械の種類を知りたい方

是非、ご覧ください。

切削加工は「除去加工」

先述した通り、プラスチック加工の種類は多くあります。
それらの加工方法は、大きく分けて3つに分類できます。

プラスチック加工を3つに分類してみると。。。

大きく分けて、
「除去加工」「成形加工」「付加加工」
の3種類の方式があります

「除去加工/切削加工」「成型加工/真空注型」「付加加工/3dプリンター」は、当社が得意とするプラスチック加工。
  • [除去加工] 不要な部分を除去することによって、形状をつくる加工方法
    ( おもな加工: 切削加工・研削加工・レーザー加工・放電加工 など)
  • [成形加工] 材料を変形させることによって、形状をつくる加工方法
    ( おもな加工:射出成形 ・ブロー成形 ・押出成形・真空成形  など)
  • [付加加工] 材料をつなぎ合わせることによって形状をつくる工方法
    ( おもな加工: 3dプリンター・溶接 など)

カテゴライズしてみると各加工の特徴がわかりやすくなりませんか?

除去加工の代表格!「切削加工」の基本をわかりやすく解説

切削加工 (読み方:せっさく)とは、工具を用いて金属や樹脂などの材料を切ったり削ったり穴を開けたりする加工技術です。

ここでは、除去加工の代表格である「切削加工の基礎」を学んでいきましょう。

切削加工の基礎(工作機械の種類と加工方法)

切削加工の2つの加工方式

切削加工には、大きく分けて2種類の加工方式があります。

  • 「フライス加工(ミーリング)」
  • 「旋削加工 ターニング)」

まずは、フライス加工からご説明させていただきます。

フライス加工 (ミーリング)

フライス加工とは、
工作物を固定して工具(刃物)を回転させて加工する方法。

切削加工の基礎(工作機械の種類と加工方法)フライス加工

「正面フライス」や「エンドミル」などの工具は回転運動をしながら上下に動き、工作物は前後左右に動かして加工します。

フライス盤で使用する工具

フライス盤(ミーリングマシン)では、加工によって様々な工具を使用します。代表的なフライス(ミーリングカッター=刃物工具)をご紹介します。

正面フライス(フェイスミル)
画像:モノタロウより

正面フライスは、フェイスミルとも呼ばれ、たて型*のフライス盤で使用されます。

主に平面加工・側面加工・段加工をする際に使用されます。一度に切削できる面積が広く、切削効率が良く高精度の加工ができます。

エンドミル

側面や端面にも刃がある多機能工具。

広い範囲の平面は、正面フライスで加工し、狭い範囲の側面や段差、溝などはエンドミルで加工します。外周削り、曲面削り、穴加工まで可能です。

《 おもなエンドミルの種類

スクエアエンドミル

画像:ミスミより

先端が平坦になっているエンドミル。水平面や垂直面、溝加工などを切削するのに用いられます。

【 ラジアスエンドミル 】

画像:ミスミより

底刃と外周刃が接する部分が球面(R形状)になっているのが特徴で、平面加工、曲面加工の両方の加工が可能で、使い方によってはかなり効率が高い。

【 ボールエンドミル 】

画像:ミスミより

刃の先端が球面(R形状)になっていて、 R加工など曲面の切削するのに使用されます。

【 テーパーエンドミル 】

画像:ミスミより

外周刃が円錐状になっていて、テーパ加工するのに用いられます。

「エンドミル」と「ドリル」の違いはなに?

エンドミルドリルは形状は似ていますが、使用目的が違います。

  • エンドミル:先端と側面に掘削機能があり、平面、穴あけ、みぞ切など様々な加工が可能です。おもに、フライス盤マシニングセンタで使用されます。
  • ドリル:穴をあけるための工具で、先端に掘削機能がついており、ボール盤*や電動ドリルで用いられます。

※ボール盤とは、樹脂や木材、金属素材に穴を開ける工作機械。旋盤やフライス盤、マシニングセンターなどでも穴あけ加工ができますが、ボール盤は穴あけに特化した機械。

平フライス

円筒状で外周に切刃を持ったボアタイプの切削工具です。平フライスは横型フライス盤で使用するもので、平フライス削りを行う基本的なフライスです。プレーンカッターともいいます。

しかし平面加工においては立型フライス盤の正面フライスやエンドミルを使ったほうが効率が良く、最近では平フライスはあまり使われることはありません。平フライスの工具自体もあまり販売されていません。

よこ型フライス盤で使用するフライスで、平面を削る加工を行うときに使用します。切削効率に優れているものの、削った後に正確な精度を出すことができませんので、正面フライスより荒くなってしまいます。そのため、精度を求めない部分の荒削り加工の時に使用されることが多いとも言えます。

フライス盤 (ミーリングマシン) の種類

フライス盤は手動のもの(汎用フライス)数値制御で自動加工できるもの(CNCフライス)工具自動交換機能がついているもの(マシニングセンター)歯切り加工をする(NC歯車加工機)など、様々な種類があります。

フライス加工機

  • 汎用フライス
  • NCフライス(CNCフライス)
  • マシニングセンター
  • NC歯車加工機

など

それぞれの特徴を詳しく見ていきましょう。

[汎用フライス]
株式会社武田機械

汎用フライスは、手動で操作するフライス加工です。

作業員が工具の位置や速度な切り込み量などを判断して加工をします。

手動ではより精度の高い製品が加工できますが、熟練した技術力が必要で、技術力次第で仕上がりや品質が左右されます。

[NCフライス(CNCフライス)]

NCフライスは、数値制御(NC)による機械の加工です。

NC (Numerical Control)とは「数値制御」という意味で、切削工具の動作を座標値によって定義し、そのプログラム情報の指示によって工作機械が動き加工する方法です。

以前は、パンチカードなどを使って加工していましたが、現在では、コンピューターでNC制御をするCNC(Computerized Numerical Control)で自動化できる機械が主流ですので、ほとんどの場合、NC加工=CNC加工のことを指します。

またCAD/CAMソフトを用いて、どんな順序で、どのような工具を使って加工していくかをプログラムして加工することもできます。

CAD/CAMの加工プログラム次第で、加工時間や仕上がりが変わってくるので、加工時間の短縮化、適した工具選定、正確に仕上げるためのプログラム設定など、フライス機械の操作技術だけでなく、プログラム能力も重要になってきます。

[マシニングセンター]
ブラザーR650X2の 自動工具交換装置

マシニングセンター(machining center=MC)とは、CNC工作機械に多種類の加工(中ぐり、フライス加工、穴あけ、ねじ立て、リーマ仕上げなど)に必要な工具を自動で交換できる機能(ATC=Automatic Tool Changer「自動工具交換装置」)が備えている加工機械のことです。

CNCフライス加工機などは複数の工具を使用する場合、作業員がその都度交換しなければいけませんが、マニシングセンターはATCが装備されているため自動で交換してくれます。

マシニングセンターも年々進化していて、通常のマシニングセンタは3軸加工のX、Y、Zの3軸にしか動きませんが、5軸加工機は、X、Y、Zの3軸に加えて回転の2軸を加えて加工できます。段取りの工程短縮ができたり、より柔軟な加工が可能で、3軸加工機にはできない加工ができるようになりました。

工作機械の構造

工作機械には、主軸の向き・構造・駆動軸の数によって「たて型」と「よこ型」「門型」があります。

■たて型

たて型マシニングセンター

主軸(切削工具を取り付ける軸)がテーブル面に対し垂直もので、 加工ワークの上面から切削します。 駆動軸はXYZの直線3軸です。 汎用性が高く、使い勝手がいいのが特徴です。

■よこ型:

横型マシニングセンター

主軸 (切削工具を取り付ける軸)がテーブル面に対し水平のもの。 駆動軸はXYZの直線3軸です。

切粉が重力によって下に落ちるため、切削点に溜まりにくいというメリットがあります。

■門型

門型マシニングセンター

主軸(切削工具を取り付ける軸)がテーブル面に対し垂直もので、構造はたて型と同じですが、主軸頭を支える構造が「門形」になっていることが特徴です。駆動軸はXYZの直線3軸です。大型の部品を加工するときに使用されています。

旋削加工

旋削加工(読み方:せんさく)とは、
工作物を回転させて加工する方法

切削加工の基礎(工作機械の種類と加工方法)旋盤加工

バイトと呼ばれる工具を使い、工作物の外丸削り・面削り・テーパ削り・中ぐり加工・ねじ切り加工・突切り加工・穴あけ加工など、おもに円形状のものを加工します。

旋削加工で使用する工具

旋盤加工は工作物を回転させてバイトと呼ばれる工具で切削する機械です。加工方法に合わせて適切なバイトを選択する必要があります。

バイトの構造(引用元:モノタロウ
切削加工の基礎(工作機械の種類と加工方法)バイトチップ
チップ

バイトの加工と種類(引用:丸物・旋盤加工.COM

旋盤の種類

旋盤にはいくつかの種類があり、加工する材料の大きさや、作りたい製品の形状によって最適な加工機を選択する必要があります。

旋盤加工機

  • 汎用旋盤
  • NC旋盤(CNC旋盤)
  • 卓上旋盤
  • 正面旋盤
  • たて旋盤
  • タレット旋盤

など

[汎用旋盤]

汎用旋盤とは、手動で加工する旋盤のことです。試作品など少量生産に用いられることが多いです。汎用フライスと同様で手動では精度の高い製品が加工できますが、熟練した技術力が必要です。技術力次第で仕上がりや品質が大きく左右されます。

[CNC旋盤]

CNC旋盤とは、 コンピュータによるNC(Numerical Control)と呼ばれる 数値制御で加工を自動化する機能を持つ旋盤です。

[卓上旋盤]

小型の旋盤のことで、 作業台の上に置ける小さなサイズのものでベンチレースともいいます。

汎用旋盤で加工できない小さな部品に使用されています。

[正面旋盤]

主軸が地面に対して平行の旋盤で 、大きな工作物を加工する時に使用されます。

切りくずが下方向に落ちるので、立旋盤に比べて製品に傷がつきにくいメリットがあります。

切りくずを巻き込む心配も少ないため、作業効率が良く連続加工に向いています。

[立旋盤]

立旋盤は主軸が縦向きで切削工具を垂直方向に動かします。

立旋盤では上を向いた主軸に加工物を取り付けるため、 重力や遠心力によるズレ起こりにくく、正面旋盤と比べて加工の精度がいいのが特徴で、汎用旋盤では加工が難しい大型製品の加工も可能です。

[タレット旋盤]

タレットと呼ばれる旋回式の刃物台がついている旋盤です。
通常旋盤加工では、加工に応じて工具交換が必要ですが、タレット旋盤なら、あらかじめ切削工具をセットしておくことで、タレットを回して工具を切り替えることができます。工具交換の手間が減り加工時間を短縮できます。

昭和33年のタレット旋盤。当時は大量生産向けだったそうです。まだ作動するそうです!すごいですね!

複数の加工が1台でできる「複合加工機」

複合加工機は、工具の自動交換機能(ATC)を備えており、フライス削り・旋削・研削などの様々な加工ができるNC(数値制御)の工作機械です。

「複合加工機」にはNC旋盤ベースマシニングセンタベース2種類があります。

NC旋盤ベースの複合加工機(ターニングセンタ)

NC旋盤をベースに、ドリル(穴あけ)・フライスなどの回転軸を追加したものです。
旋盤ベースなので、円筒状のワークが得意です。

タレット(刃物台)にあらかじめ複数の工具を割り付けることができるため、工具交換の時間が短縮できます。

マシニングセンタベースの複合加工機

マシニングセンタをベースに、回転テーブルなどの回転軸を追加したものです。
フライス加工がベースなので角ものワークが得意です。

複合加工機・マシニングセンタ・5軸加工機の違いって?

複合加工機、マシニングセンタ、5軸加工機など、加工機にもいろいろありますので、違いが分かりにくいですよね。

「一体何がちがうのか?」

ここで、整理してみましょう。

  • マシニングセンタ

マシニングセンターは、 多種類の加工(中ぐり、フライス加工、穴あけ、ねじ立て、リーマ仕上げなど)の加工をするNCフライス盤に自動工具交換機能(ATC)を装備したもの。

  • 5軸加工機

マシニングセンタ(通常XYZの3軸加工)に、回転と傾斜の2軸を加えて5軸になったもの。5軸マシニングセンターともいいます。
(5軸加工機=5軸マシニングセンタ)

  • 複合加工機

NC旋盤の特性とマシニングセンタの特性を併せ持った工作機械のこと。

機械を複合化することにより、一台の工作機械で、フライス加工・旋削加工・研削加工など、すべての加工を終えることができる。

加工時間短縮や加工別の機械を複数所有しなくて済むので省スペースにもなります。

まとめ

今回は「機械加工のきほん」ということで切削加工を基礎から学ぶため、工作機械の種類と加工方法をご紹介させていただきました。

今回の記事を簡単におさらいしてみしょう。

切削加工

  • 「除去加工」の分類で「不要な部分を除去することによって、形状をつくる加工方法
  • 切削加工には「フライス加工」「旋削加工」の2種類ある

フライス加工

  • フライス盤では、おもに「正面フライス」「エンドミル」という工具を使用
  • フライス盤の種類は、「汎用フライス」「CNCフライス」「マシニングセンタ」などがある
  • マシニングセンタは通常XYZの3軸ですが、5軸のものもあり「5軸加工機」または「5軸マシニングセンタ」と呼ばれる

旋削加工

  • 旋削加工の工具は、「バイト」という工具を使用
  • 旋盤の種類は、「汎用旋盤」「CNC旋盤」「卓上旋盤」「正面旋盤」「立て旋盤」「タレット旋盤」などがある

複合加工機

  • すべての加工が1台でできる「複合加工機」というものもある

以前は、加工ごとにそれぞれ工作機械が必要でしたが、デジタル化が進み、機械の高速化、高精度化、複合化や多軸化もますます発展していくことになるでしょう。

一般的に最先端の機械を導入すれば、簡単に高精度のものができると思われてしまいますが、必ずしもそうではありません。

機械が高度化すれば、それと同時に機械を動かすためのソフトウェアやプログラミングも高度化され、より複雑になったり、より広範囲の知識が必要になることが多い傾向にあります。

機械の個性や特徴を熟知した上で使いこなせるようにならなければいけないのです。

先端技術の機械を導入したはいいが、それに伴うオペレーション力がなく使いこなせないということも何度か耳にしたことがあります。

これからは、ますますデジタル化が進んでいくでしょう。

新しい技術知識を得ることはもちろんですが、まずは、基本をしっかり身につけてから新しい知識を増やすことが一番の近道になるのではないでしょうか。