商品開発で使えるアイデア発想法5選!製品化までの進め方も解説

市場で勝ち残る新商品を生み出すためには、質の高いアイデアを数多く出すことが重要です。しかし「アイデアが思うように出てこない」「どこから考え始めればいいのかわからない」と悩んでいる方も多いでしょう。

そこで、この記事では商品開発で使えるアイデア発想法5選を解説します。アイデアを量産するコツや製品化までの具体的な進め方も紹介するので、商品開発に携わる方は最後までご覧ください。

商品開発のアイデアが出ない理由

商品開発のアイデアが出ない理由は、大きく分けて次の3つです。

  • ターゲットが定まっていない
  • 最初から完璧を求めている
  • できない理由から考えている

ターゲットが定まっていない

新しいアイデアを練る際、つい「誰にとっても便利なもの」を目指してしまいがちです。しかし、対象を広く設定しすぎると、解決すべき課題が抽象的になり、結果としてどこかで見たことがあるような案に落ち着いてしまいます。

多くの人に届けたいと思うのは当然ですが、結局は誰の悩みにも刺さらない、中途半端な企画になりかねません。また、ターゲットが明確でないと、出てきたアイデアが良いものなのか、それとも修正が必要なのかを判断できません。

そのため、会議で意見が割れた際も、どの案を優先すべきかが定まらず、結論が出ないまま話が長引いてしまいます。

最初から完璧を求めている

アイデアを出す段階から、非の打ち所がない完成度を求めてしまうと、新しい発想の芽を自ら摘んでしまうことになりかねません。「コストに合うのか」「不備はないか」と考えることも必要ですが、欠点ばかりに目が向いてしまうと無難な案しか残らなくなります

市場で評価される優れた商品も、最初は荒削りな思いつきや、欠点の多い未完成なアイデアから始まっていることは少なくありません。そのため、まずは質より量を重視し、不完全な状態でもひとまず書き出してみることが重要です。

さらに「この機能も必要かもしれない」「この条件にも対応しないといけない」と要件を積み上げてしまうと、本来のコンセプトもぼやけてしまいます。

できない理由から考えている

新しいアイデアを検討する際、真っ先に「実現可能かどうか」を検証すると、思考の幅を大きく狭めてしまいます。特に、予算や社内のリソースといった現実的な制約を判断基準の最優先に置いてしまうと、少しでもハードルの高そうな案は検討の土台にすら載りません。

確実に実行できる方法を探る姿勢は実務において重要ですが、発案の段階でできない理由を並べていては、現状の延長線上でしか物事を考えられなくなります。そのため、まずは技術的な制約を一度脇に置いて「もしこれが実現できたら、顧客にどのような価値を届けられるか」という理想の状態から逆算して考えてみてください。

商品開発のアイデアを量産する方法

アイデアを増やしたい方は、以下の3つを実践してみてください。

  • 問い合わせ履歴から課題を洗い出す
  • 想定顧客にインタビューする
  • フレームを使って視点を広げる

問い合わせ履歴から課題を洗い出す

顧客から寄せられる質問や要望は、現状の製品では満たせていない理想と現実のギャップそのものです。表面的な要望だけでなく、その背景にあるユーザーの困りごとに意識を向けることで、机上の空論ではない切実なニーズが見えてきます。

膨大な問い合わせ履歴を見返してみると、似た質問や不満が繰り返されているはずです。それらを深掘りしていくと、顧客が抱えるリアルな課題が浮かび上がってきます。

たとえば「屋内用の製品を屋外でも使えないか」という相談が目立つ場合、それは仕様への不満ではなく、過酷な環境にも耐えられる新シリーズを求めているサインだと解釈できるでしょう。このように潜在的なニーズを特定できると、顧客が本当に望んでいる体験が明確になり、自然と開発すべき製品のイメージが具体化していきます。

想定顧客にインタビューする

問い合わせ履歴からは、何に不満を感じたのかという事実は見えてきますが、その背景や細かな心理までは掴みきれません。想定顧客と直接話せば、数字や文字だけでは見えない「なぜそうしたのか」という動機まで掘り下げることが可能です

あらかじめ用意した設問に答えてもらうだけでなく、普段どのような場面で悩みを感じ、それをどう解決しようとしているのかという生活の背景を丁寧に紐解いていくと、課題の本質が鮮明になります。こうしたインタビューから得られたリアルな情報は、企画の方向性を裏付ける強力な根拠となるだけでなく、開発チーム全体で「誰のために作るのか」というターゲット像の認識を揃えるきっかけになります。

フレームを使って視点を広げる

個人の経験や直感だけに頼ってアイデアを出そうとすると、どうしても思考の癖に左右され、似通った発想に陥ってしまいがちです。こうした停滞を打破するために有効なのが、フレームワークです。

あらかじめ思考の型を用意しておけば、同じテーマでも切り口が強制的に変わり、考えが行き詰まりません。また、視点が増えるほど自分たちの盲点に気づけるようになり、最終的に何を作るべきかの輪郭がはっきりしていきます。

商品開発で使えるアイデア発想法

商品開発で使えるアイデア発想法を5つ紹介します。

  • ブレインストーミング
  • ブレインライティング
  • オズボーンのチェックリスト
  • マインドマップ
  • マンダラチャート

ブレインストーミング

ブレインストーミングは、複数の参加者が自由に意見を出し合い、アイデアを増やす方法です。ここで大切なのは、出てきた案をその場で評価しないことです。

良し悪しを言い始めると、発言する側は「正しいことを言わないといけない」と感じてしまい、無難な案しか出ません。一見すると突飛な案であっても、否定せずに受け入れることで発想が広がりやすくなります。

発言が止まりそうなときは、無理にひねり出すよりも、出た案を材料にして「それを別の場面で使うなら」「逆にするとしたら」と問いを投げかけていくと、別の案が連鎖的に出てきます。

ブレインライティング

ブレインライティングは、紙にアイデアを書き、回覧板のように回していく方法です。ブレインストーミングでは、どうしても声の大きな人の意見に引っ張られたり、発言のタイミングを逃して黙ってしまったりすることがありますが、この方法なら全員が同じ条件で意見を出せます。

この際、最初から完成した提案を書く必要はありません。むしろ未完成のアイデアの方が、次の人が「こういう場面にも使えそう」「別の切り口に変えられそう」と発想を足しやすくなります。

一つの項目につき数分という制限時間を設けて、ゲーム感覚で書き出してみると、短時間で驚くほど多くの案が集まるはずです。

オズボーンのチェックリスト

オズボーンのチェックリストは、転用・応用・変更といった9つの項目に沿ってアイデアを考える方法です。具体的には「本来と違う場所で使えないか?」「うまくいっている別商品の仕組みを持ち込めないか?」「形や素材を変えたらどうなるか?」といったように、自らに問いを投げかけます。

漫然と考え続けるのではなく、あらかじめ用意された切り口に従って発想を広げるため、検討の抜け漏れを防げます。もちろん複数人でアイデアを出す場でも使えますが、一人でコツコツと企画案を考える際にも有効です。

マインドマップ

マインドマップは、中心となるテーマから枝を広げるように思考を可視化する方法です。たとえば、家電メーカーが「一人暮らし向けの掃除機」を企画するなら「夜間の静音性」「省スペースな収納」「インテリアに馴染む質感」といった要素を線でつないでいきます。

すると、静かさを優先するなら吸引方式を見直す必要がある、収納性を重視するなら本体形状を変える余地がある、といった具合に思考の深掘りが自然に進みます。一見無関係に見えた要素同士が意外な場所で結びつき、画期的なアイデアが生まれることも少なくありません。

マンダラチャート

マンダラチャート(マンダラート)は、3×3の枠を使って思考を広げていく手法です。真ん中にテーマを置き、その周り8マスに関連する要素を埋めていくと、考える観点が自然に揃います。

さらに、それぞれの要素を次の3×3の中心に置き直し、周囲8マスを埋めていくことで、抽象的だった観点が具体的な案に変わっていきます。中心から思考を広げるという点ではマインドマップと似ていますが、1つのテーマにつき出せる案が8つと決まっているため、空白を埋めようとする強制力が働くのが特徴です。

アイデア発案から商品化までの進め方

アイデアを商品化する際は、次の流れで進めてみてください。

  • チームでアイデアを出し合う
  • アイデアを絞る判断軸を決める
  • 商品コンセプトに落とし込む
  • 試作品で仮説を検証する
  • 検証結果をもとに修正する

チームでアイデアを出し合う

一人で考えていると、どうしても過去の経験や得意分野に発想が偏ってしまいます。そのため、企業で新製品を企画する際は、開発チームで意見を出し合うことが大切です。

可能であれば、開発部門だけでなく営業や広報といった他部門のメンバーにも声をかけてみてください。多様な視点を持つメンバーが集まることで、自分たちだけでは気づけなかった市場のニーズや斬新な解決策が次々と浮き彫りになります

アイデアを絞る判断軸を決める

多くのアイデアを出した後は、それらを客観的に評価し、最終的な候補を絞り込んでいきます。「どれを残すか」を効率よく決めるためには、明確な判断軸を用意する必要があります

ここが曖昧なままだと、各自の好みや経験則に引っ張られ、公平な選別を行えません。ただ、最初から判断軸を完璧に定義することは難しいため、外せない観点を言葉にし、チーム全体で共有することが大切です。

たとえば「自社の強みとの親和性」や「既存顧客との相性」といった項目を用意しておくと、次に残すべき理由が説明できるようになり、納得感も得やすくなります。

商品コンセプトに落とし込む

アイデアの段階では、魅力的な要素がいくつも並びますが、まだ断片的で方向性が定まっていない状態です。そのまま開発に進むと、軸がぶれて特徴のない製品になってしまうため、コンセプトに落とし込むことが欠かせません。

コンセプトとは、その商品が「誰の、どんな課題を、どのように解決するのか」という道筋を言葉にしたものです。単なる機能の羅列ではなく、顧客がその商品を手に取ったときに得られる「独自の価値」を言語化することで、訴求力が一段と高まります。

また、この核となる部分が明確になれば、その後の設計やプロモーションの工程でも迷わず一貫した判断を下せます。

試作品で仮説を検証する

どれほど優れたアイデアであっても、それが実際に機能し、顧客の課題を解決できるかどうかは形にしてみるまで分かりません。ただ、そのまま本開発に進んでしまうと、後から大きな手戻りが発生してコストが膨らみやすくなります。

そのため、イメージ通りの価値を出せるかを確かめるために、試作品を作ることが大切です。この際、完成品のようにデザインを整える必要はありません。

確認したいポイントに合わせて、簡易的な試作をすれば十分です。既存商品の改良なら完成形を想像しやすいですが、一から設計する場合は、イメージ通りに機能するかを確かめるために原理試作を行う必要があります。

原理試作について詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。

関連記事:原理試作とは?実施するメリットや具体的な進め方、注意点を解説

検証結果をもとに修正する

試作で得られたデータをもとに、どこをどう直すかを具体化し、次の試作に反映させます。想定していた価値が伝わらなかったのか、使い方が直感的ではなかったのか、あるいは性能以前に導入の手間が障壁になっていたのかと切り分けていくと、修正の方向性がはっきりします。

改善点が多いと、一度にすべてを直したくなりますが、手を広げすぎると改善の要因が特定できません。そのため、まずコンセプトの「核となる価値」から改善し、再検証を重ねながら徐々に完成度を高めていくことが重要です。

まとめ

この記事では、商品開発に役立つアイデア発想法や製品化までの具体的な進め方について解説しました。ターゲットを明確にしたうえでマインドマップやマンダラチャートを使うことで、検討漏れを防ぎながらアイデアを広げることが可能です。

また、アイデアを絞る判断軸を先に決めておくと、会議で意見が割れても納得感を保ったまま候補を絞り込めます。そのため、商品開発をスムーズに進めたい方は、この記事を参考にしながら今後の進め方について考えてみてください。

もし「良いアイデアはあるが形にする技術がない」「社内にノウハウがない」といった理由で製品化が進まない場合は、外注を活用するのも一つの手です。弊社ではナイロン注型や粉末造形など、さまざまな加工技術を活用して、お客様のアイデアを形にしています。

たとえば、高機能SLS方式の3Dプリンターを用いると、高強度かつ耐熱性に優れたプラスチック試作品を作れます。加工技術を紹介したページも公開しているので、試作でお困りの方は「お問い合わせフォーム」からお気軽にご相談ください。